タイトル通り、不定期更新のブログです。 気が向いたとき、更新すると思います。 内容としては、オンラインゲーム「トリックスター」「ラテール」などを中心とさせて頂いております。(時々日常のことなども書くかもです)

れあちーのきまぐれにっき

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03 古い本

  1. 2008/04/04(金) 00:21:56|
  2. 冒険者で20のお題
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
最近、気がついたらお題しか記事を書いてない始末w
たまには別のネタを書かないとなぁ、とか思っても、ネタがありませぬw



と、思っていたら、こんなチューインキャンディーを見つけましたよー(ぁ









ハイチューじゃねぇ




ゾォーーーΣ(゜д゜)ーーーン


ハイチューじゃねぇぇぇぇぇぇヾ(`Д´*)ノ



原産国を見ると、韓・国・産!!!


流石、韓国。パクリはおてのものだね(☆゜д゜)ニヤリw
(韓国の人、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなs……(((((°°;) )



ちなみに、これがヨイチューの側面(ぁ


ヨイチュー側面



えらい薄っぺらいぞーーーーヾ(`Д´*)ノ
だけど、味はまんまハイチューみたいですた(ぁ



とりあえず、えらいネタな物だったので、これだけ報告でw


と、いう訳で下はお題三番目ですよー。


であ、続きをどうぞ(`・ω・´)ノ






03 古い本




「ちょっとそこのお前。私につきあえ」
「……は?」
街の雑踏に負けない声で唐突に声をかけられ、俺は目を見開いた。
声の主へと視線を向ければ、そこにいたのは、赤い影。
真紅の髪と瞳。そして、全身を覆うような赤いローブ。全てが赤い長身の狐族の女が、俺を見下ろしていた。
いきなりの事態に俺は無言のまま、ただ女を見上げてしまった。
……何故、こんな事になったのか。現実逃避するかのように数分前の出来事を振り返った。





三日前の魔物討伐の一件で負傷していた俺は、大事を取って2、3日の休養が必要だと、医者に言われてしまった。
その為、シーを一時的にミュウラーと槙宮に預け、アステカで休養を取っていたのだ。
俺が休んでる間に、ミュウラーがシーに剣術の指導をしてくれるという事で、今日も三人でアステカ近郊に出かけて修行に勤しんでいる。俺では剣の扱いを教える事が出来ないから、ありがたい限りだ。
まぁ、怪我といっても多少頭を強く打った程度だったので、俺としては元気だった訳なんだが。
一昨日は目眩がひどくて、宿でおとなしくしていたけれど、一日寝たら回復したらしく、それ以降は暇だったので街を散策していた。
まぁ、口うるさい槙宮に見つかったら、おとなしくしてなくちゃダメだと怒られそうだが。
暇だったんだから、仕方ないだろう。退屈ほど、きついものはない。
何か掘り出し物でもないだろうか、と、メインストリートの露店を覗いていた矢先にこの出来事だ。
俺は回想から意識を浮上させ、再び女を見上げた。
「聞こえなかったか?」
いあ、聞こえてるけどさ。
その女は高圧的な態度で、再度問いかけてくる。
「……俺に何か用か?」
俺は怪訝な瞳を女に向けながら、逆に問いかけた。それに女は俺を見下ろしたまま、
「貴様は馬鹿か?用があるから声をかけたのだ」
と、いけしゃあしゃあと暴言を吐きやがった。
……なんというか、いきなり失礼な奴だな、こいつ。
「で、その用とやらは?」
俺は内心でため息をつきながら、女を見上げて返答を待った。
「うむ。お前は、ここには詳しそうだな」
「まぁ、そりゃ何度か来てるしな」
「私はこの街には不慣れでな。少し、案内をして貰いたいのだが」
……道案内が必要だったのかよ。
何を言われるのか、少しだけ警戒しながら待っていたが、その内容に拍子抜けした。
シーたちが帰ってくるのは夕方。それまでに宿に戻れば、文句も言われないだろう。まぁ、どうせ暇な身だ。少しくらいなら、つき合ってやっても良いかもしれないな。
「……どこに行きたいんだ?」
俺のその言葉を了承と取ったのだろう。女は僅かに顔を上げ、背負っていた荷物からなにやら、古そうな一冊の本を取り出した。
黒い皮で作られた古書。表紙には古代文字が記されている。
随分古そうな本だ。遺跡から見つけてきたのか?
「これを調べられる場所を探しているのだ」
「……中を見ても?」
「かまわん」
差し出されたその本を女から受け取り、ぱらりとページをめくり、俺は僅かに目を見開いた。
「……これは」
「そう、魔術のかけられた本だ」
開いたページは全て白紙。文字が魔法で消されているのだろう。
鑑定能力のない者から見れば、ただの白紙の本としてしか写らないかもしれない。俺も魔力を視力化する事は出来ないのだが、これが魔術によって作られた物である事は分かる。
普通の本とこの本では、纏っている雰囲気が違うのだ。
「……つまり、この街に魔法に詳しい者がいないかどうか、という事だな?」
「そういう事だ。心当たりはあるか?」
魔法に詳しい者……まずそう言われて俺が思い浮かべたのは、槙宮の姿だった。
あいつなら、色々知っているだろうが、今はアステカから少し離れた場所にいるだろうし……何より、俺が出歩いている事がばれるので、却下だ。
と、なると他に思い浮かぶのは……
「そうだなぁ……まぁ、ちょっとうさんくさいが魔法に詳しそうな人だと、あの人かな」
その人物を思い浮かべ、苦笑が浮かんだ。色々呆けてそうな人だけど、大丈夫だろうか。
まぁ、とりあえず行ってみないと分からないか。
俺は女へ道を示しながら、歩き出そうと足を踏み出した。が、そこでふと気がついて、女を振り返った。
「……そういえば、名乗ってなかったな。俺はラフィオ。あんたは?」
「…………ジャック・ローズ」
「へぇ……綺麗な名だな」
「世辞などいらん」
俺の言葉に、ジャックと名乗ったその女は、僅かに顔をしかめつつ、そう応えた。
別に、世辞を言ったつもりはないんだがな。素直にそう思っただけなのだが、まぁいいか。
俺は気を取り直して、案内を再開した。
……と、俺達の後をこそこそと、雑踏に紛れながらついてくる三人組の姿があったのだが、この時の俺は気がついていなかった。これを後に悔やむ事になるとも知らないで、俺はメインストリートから道を逸れて、目的の場所を目指した。








「……ここは……」
俺が案内した場所を見て、隣を歩いていたジャックが唖然とした。まぁ、確かにそう思うよな。俺も一見しただけだったら絶対立ち寄らないような場所だ。
少し薄暗い雰囲気を持つ店の中は、怪しい匂いを放つお香がたかれている。
そして、狭い店内には老婆が一人。黒いローブに身を纏い、水晶球を覗き込んでいるという、いかにもうさんくさい人だ。
「…………世話になったな」
「おいおいおいおい、ちょっと待てっ!」
さっと、踵を返して歩き出したジャックの肩を掴んで、慌てて彼女を引き留めた。それにジャックはうさんくさいものを見るかのような瞳を俺に向けた。気持ちは分からなくもないが、ちょっと待つと良い。
俺は気を取り直して、店の中にいる老婆へと歩み寄った。
「やぁ、婆さん。先日はどうも」
「……ほお、今日は一人かえ?」
「まぁ、ちょっと野暮用でね」
話しかけると、老婆はそのしわくちゃな顔を僅かに綻ばせ、俺を見上げた。つい昨日会っただけあって、俺の顔を覚えていたらしい。
ここはどうも、女性たちには人気の占いおばばの店らしく、シーがどうしてもやりたいとだだをこねてくれやがったので、仕方なく連れてきてやったのだ。
別に槙宮と行くのでも良いじゃないかと文句を言ったが、それでは意味がないんだと泣き喚かれた。
……何で意味がないのか俺にはさっぱり理解できなかったがな。
「それで、今日は何用かの?」
黒い瞳で俺を見上げて、老婆は問いかけた。それに俺は後ろのジャックを振り返り、手招きをした。
それにジャックは若干嫌そうな顔を浮かべたが、おとなしく歩み寄ってきた。
「ほお、今日はまたべっぴんさんをお連れだね」
「茶化さないでくれ」
「昨日のおチビさんと同様、相性占いでもするかの?」
「悪いな、今日は占いをして貰う為じゃないんだ」
ジャックに視線を向ければ、俺の意図を理解したらしく、先程の本を取り出して、老婆へと差し出した。老婆はそれを受け取り、僅かに目を細めた。
「ほお、これはこれは」
「……あんたなら、分かるかと思ってね。この本にかけられた魔術を解除したいんだ」
なるほどのぉ……そう、老婆は言いながら、ぱらぱらとページをめくっていく。
どこまでめくっても、白紙が続くだけ。一体この本はどんな秘密を隠し持っているのだろう。隠さなければならないような内容でも書かれていたのだろうか。
ページをめくり続ける老婆の様子を観察しながら、そんな事を考えた。
と、老婆がページをめくる手を止めた。
「……………………」
しわしわの指で白紙のページをなぞりながら、聞き取れないほどの小さな声で、老婆が何事か呟いた。僅かに聞こえた聞き慣れないその言葉は、古代語のようだった。
一瞬、パアッと本から光が溢れ、文字が浮かび上がったが、それは瞬く間に元の白紙へと戻ってしまった。どうやら、魔術の解除には至らなかったようだ。
僅かに落胆したような様子が、ジャックから伝わってきた。
「…………ふむ……」
老婆は目を細めて本から顔を上げ、ジャックを見上げた。
「これは、カバリア遺跡から見つけてきたのかえ?」
「……そうだ」
老婆の言葉にジャックは頷いた。やはり、遺跡から見つけてきた古書なのか。二人の会話を聞きながら、もう一度本を見下ろした。
「すまぬが、どうやら儂ではこの魔術は解除できぬようだ。……魔術の相性が悪いようでな」
老婆はそう言って、手に持っていた本をジャックへと返した。それにジャックは小さく頭を下げた。どうやら、ちゃんと礼は出来る奴らしいな。
と、老婆はふと手元にあった水晶球を覗き込んだ。
占いをする時と同様、両手をかざすと僅かに水晶球に光が灯った。
「……ふむ。そうだな。……ここから少し行った先で、そなたたちの力となってくれる者が現れるようだ。誰かは、おぬしが知っておるようだ」
水晶球から顔を上げて、老婆はまっすぐに俺を見た。どうやら、その現れる誰かは、俺の知り合いらしい。
…………槙宮でない事を祈るとしよう。
嫌な予感に僅かに顔をしかめつつ、頭を掻いた。
「……協力、感謝する」
ジャックは小さな声で告げると、さっと踵を返した。それを見た俺は、占い一回分の料金を老婆の机の上に置いた。
「婆さん、ありがとな」
「……また来ると良い。今度はちゃんと占いにな」
「ああ。……気が向いたらな」
「ふ、気長に待っているぞ」
俺の返答にくすりと笑みを浮かべて、老婆はそう言った。ひらりと軽く手を振って別れを告げると、先に行ったジャックを追って俺も踵を返した。
俺がいなければ、協力者とやらは見つけられないだろうに。
かつかつと、靴音を響かせて前を歩くジャックに追いつく為に、僅かに歩調を早めた。
「おい、待てって。一人で先に行くなよ」
俺の言葉に、僅かにジャックの歩調が緩くなる。どうやら、立ち止まるつもりはないらしい。歩調が緩くなったその隙に、俺はジャックに追いついた。
「あんた一人で行ったって、協力者とやらは見つけられないだろ」
「……その協力者とやらに、心当たりはあるか?」
隣に並んだ俺を見下ろし、ジャックが問いかけてくる。
「……心当たりがあるにはあるが、そいつかどうか怪しいな」
なんだそれは。俺の返答に、僅かにジャックの瞳が怪訝そうな色を帯びる。槙宮が戻ってきていたとしたら、俺が宿にいなかった時点で俺の携帯電話に連絡が飛んでくるはずだ。
上着のポケットから、藍色の携帯電話を取り出し、着信の有無を確認したが、反応なしだ。
槙宮の可能性は低い、と思う。
と、思った矢先に俺の携帯が着信を知らせるように、音楽を奏でて震え出す。いきなりの着信に不覚にも驚いて、反射的にしっぽが逆立った。その無様な様子をジャックに見られてしまったのか、僅かにジャックの瞳が細められ、口元を手で隠して顔を背けられた。
……ぐ、笑われてるのか……
無表情なジャックがそんな顔をするなんて。俺は気恥ずかしくなり、顔をしかめながら携帯へと意識を集中した。
ま、まさか、俺が宿にいない事がばれたのか?
俺はバクバクと鼓動を早めた心臓を落ち着かせながら、着信相手を見るように携帯の画面を見た。
だが、その画面には俺の予想を裏切る名が表示されていた。
俺はすぐさま折りたたまれていた携帯を開き、通話ボタンを押した。
「もしもし?」
『あ、やっぱりラフィさんかー』
通話中となった携帯の画面に浮かんだのは、青い髪の羊族の少女だった。アズライトを思わせる髪と同色の大きな瞳で俺を見つめ、その少女は微笑んだ。
「え、ルビーさん?」
『後ろ、後ろ』
「え?」
俺は手元の携帯電話から聞こえてくる声と、それとはまた違った位置から声が聞こえる事に疑問を持ち、言われるままに振り返った。
そこには、水色の携帯電話を片手に微笑む少女が立っていた。三つ編みに束ねられた彼女の長い髪がふわりと風に揺らされている。
「何か、知らない人と歩いてるから別人かと思っちゃった」
通話を切りながら、少女は微笑んで、俺達の方へと歩み寄ってくる。彼女の名前はルビールビー・藍花・エーデルシュタイン。元々身分の高いお嬢様なのだそうだが、このカバリア島で冒険者をしている。
この島の首都メガロポリスの一角で、副業としてカフェを自ら経営していたりする。俺と同じ歳くらいなのに、すごい人だよなと、常々思う。
彼女の出してくれる料理は、一つ一つにしっかり真心がこもっていて、心まで満腹にしてくれる。巷での評判も良いと聞く。もちろん、味も格別だ。
まぁ、冒険者としての活動の方が優先なので、いつも店を開いている訳ではないそうだが。
「今日はシーちゃんは一緒じゃないんだ?」
ルビーはきょとんとしたように俺を見つめ、問いかけてくる。それに俺は頭を掻き、
「今、ちょっと別行動中でな」
と、言葉を濁してごまかした。ルビーは勿論、俺だけじゃなく槙宮とも知り合いだ。
槙宮の事をねーさまと慕っている為、何かあった時はすぐさま槙宮に連絡が飛ぶ事になる。
俺の外出禁止令がばれたら、速攻で槙宮に連絡されるだろう。
何としても隠し通さなければ。俺は内心で冷や汗をかきながら、話題をそらすように隣のジャックを見た。
「……えっと、ルビーさん。こいつはジャック・ローズ。ちょっと成り行きで一緒に行動してるんだ」
「あ、そうなんだ。……初めまして、ジャックさん。ルビールビーと申します」
ジャックを紹介すると、ルビーは視線をジャックへと移し、にっこりと微笑んで自らも名乗った。それにジャックは無言のまま、ルビーを見つめた。
そういえば、協力者は俺の知り合い、という事だったな。と、言う事はもしかして、ルビーがそうなのか?
俺はジャックへと視線を向けて、例の本を見せるように促した。
「……確か、ルビーさんは魔術に関して詳しかったよな?」
「まぁ、人並み程度には」
「ちょっと、この本について、見て欲しいんだけど……」
俺はジャックの持つ本を指し示しながら、ルビーにそう告げた……のだが、その瞬間にざらりとする嫌な視線を感じ、後ろを振り返った。
だが、振り返った道に人影はない。狭い路地が続くだけ。
しかし俺は確信を持って路地裏の一角を睨みつけた。確実に、何かいる。
「……そこにいるのは分かっている。出てこい」
凄むように声を低くし、その何かに告げると、その何かは観念したのか、物陰から姿を現した。
「ち、ばれるとはな」
小さく舌打ちをして、現れた男が言った。
物陰から出てきたのは中年ほどの牛族の男と、ひょろりと背の高い柔和な顔つきの狸……族の男だった。
……実際はアライグマらしいが、良いよあんな生き物、狸で。
それにしても、久々に見たな、ちゃんと角の生えてる牛。
ミュウラーは角が生えてないからな。昔、猫族の少女にプライドと共に蹴り折られたと、嘆いていたもんなぁ。
…………っと、いけない、いけない。俺は思考が脱線するのを感じ、内心で自嘲しながら、目の前の男たちを見た。
「……また貴様たちか」
現れた男たちの姿に、ジャックは見覚えがあるらしく、僅かに顔をしかめて男たちを見た。
「……知り合いか?」
「この本を狙っている奴らだ」
俺の問いかけにジャックは答え、本を守るように素早く荷物の中に押し込んだ。
「つれない事言うなよ、俺とお前の仲じゃねーか?」
「……貴様と仲良しになった覚えはないな」
牛男の軽口を、ジャックは鼻で笑って一蹴した。
「その本を持ってかないと、俺達の依頼主に怒られるんだよ。悪い事は言わないから、それをこっちに渡してくれないか?」
「……それはこちらとて同じだ。貴様らのような三流の輩に奪われたとなれば、私の信用にも関わるしな。貴様らこそこの依頼から手を引いて、もっと自分たちの力量にあった仕事をすればいい」
狸男の言葉に、ジャックは男たちを嘲笑するような笑みを浮かべて、はっきりとそう言った。
……流石に、はっきり言う奴だよな、こいつ。
それにしても、こいつら。依頼主がいるという事は誰かに雇われているのだな。
あの本は、それだけ価値があるものなのか?
一瞬、思考にふけりかけた俺を引き戻したのは、突如後ろから響いた甲高い悲鳴だった。
「キャアッ!?」
「……っ……ルビーさん!」
ルビーの悲鳴に慌てて後ろを振り返ると、そこにはあの男たちの仲間らしい猫族の女が、ルビーを捕まえて、その首筋に鋭い爪を向けている。人質を取ろうというのか。
「動くんじゃないよ。この娘の顔に傷を付けられたくなかったら、さっさとあの本を渡しな!」
……何とまぁ、お決まりな台詞を……
俺はあまりのベタな展開に、一瞬言葉を失った。
「かまわん。どうせ私の知り合いではないしな」
そんな俺を無視して、あろう事かとんでもない事をジャックは言い出した。
おいおいおいおいおい、勝手な事言うなよ!!
「ちょ、おま……なんつー事言ってんだよ!!!」
「だってそうだろう?あの娘では私の人質としては意味はなさない。もっと考えて行動するべきだったな。馬鹿女」
俺はその言葉に青ざめ、慌ててジャックを見上げれば、いけしゃあしゃあと、暴言を吐きまくるし。ああ、もうぐだぐだだよ、まったく。
「えーん、ジャックさん、ひどいよー」
ぐすん、と人質に取られているルビーが、両手で目元を覆い、泣いてる風を装う。その様子に猫女は逆ギレしたのか、キッと俺を睨み付けてきた。……何で、俺が睨まれるんだ?
「あー、もう、あんたで良いわ!この子を傷つけられたくなかったら、そいつから本を奪いなさい!さもないと……」
ギラリ。猫女の爪がより深く、ルビーの首元に近づく。その切っ先が、ぷつりとルビーの薄皮に刺さり、僅かに血がにじんだ。
……切れ味は抜群、という事か。
さて、どうしたもんかな。
俺は頭を掻いて、ジャックを見上げた。
「……悪いな。ルビーさんを傷つけられる訳にはいかない。本を渡して貰おう」
「断る」
「……おっ前なぁ、さっき手伝ってやっただろ。恩を仇で返すなよ」
「お前はただの道案内で、お前が手伝ってくれた訳ではない」
「…………お前、ほんっと、マイペースだなっ」
「よく言われる」
…………ぐ、こいつはぁ……
言葉を詰まらせ、俺はジャックを睨み付けた。ジャックは俺を見下ろしたまま、ふんっと鼻で笑いやがった。
あーもう、こいつはほんと、口が悪りぃ。こんなんだったら、道案内なんか引き受けるんじゃなかったぜ。
そう、俺が思いかけていると、ジャックはえらそうな態度で腕組みをした。
…………なるほど、そう言う事か。
俺はジャックの意図に気がつき、内心でほくそ笑んだ。ジャックの指が奴らに気づかれないように、自らのリストバンドに触れた。
「お前、友達なくすぞ!」
「そんな事を、お前に心配して貰う筋合いはない」
「あー、ああ言えば、こう言うっ!!まぢで腹立つなお前!」
「ただのカルシウム不足だろ?だからそんなに身長が低いんだな」
牛乳を飲め、牛乳を。ジャックはそう言いながら、何かを握りしめる。準備は出来たか。
目だけでそれを確認すると、ジャックの瞳が頷くような色を浮かべた。
「あー、もう、あんたたちの言い争いに時間をかけるつもりはないんだよ!早く本を奪わないと、どうなるか、わかってんでしょうね!」
「えーん、ラフィさーん」
俺達の無駄な言い争いに嫌気がさしたのか、猫女が声を荒げる。人質に取られたままのルビーはぐすり、と縋るような瞳を俺に向けた。
「奇遇だな、馬鹿女。私も無駄な時間を過ごすつもりはないんでね。これで終わりにさせて貰うっ」
ジャックはそう言うと、手に持っていた物を勢いよく地面に叩き付けた。
瞬間、叩き付けられたそれから、白色の閃光が一同の視界を奪った。
俺はそれと同時に猫女に向かって、地面を蹴りつけた。
女を殴る趣味はないが、この際仕方がない。今はいつも所持しているライフルを宿に置いてきてしまっている。流石に、街を散策する為だけにあれを持ち歩くのは物騒きわまりないので、街の住人たちに嫌がられるのだ。見た目がごついだけに、剣等より抵抗が強いらしい。まぁ、この程度の連中なら素手でも大丈夫かな。
「きゃあっ!!」
視界を奪われている猫女の背後に回り込み、猫女の急所を手刀で殴打する。こういう力業はあまり得意ではないが、不意をつけば俺にだってこれくらいは出来る。
流石に一溜まりもなかったのか、猫女はくたりとして、捕まえていたルビーを手放した。
倒れかかる猫女を支え、地面にゆっくりと下ろした。とりあえず、命には別状はないはずだ。
「ち、こうなりゃ力尽くだっ!!」
視力を取り戻した牛男が、背中に背負っていた大剣を引き抜き、そう叫んだ。
それにいち早く反応したのはジャックだった。
目にも止まらぬ早さで腰に帯びた細身の剣を抜刀し、振り下ろされた大剣を受け止めた。
甲高い硬質な音が路地裏に響く。
ぎりぎりと、剣と剣が鍔迫り合う。あの屈強な牛男相手だというのに、力負けをしていない。随分細身な体格のくせに、力があるようだ。
俺はそんな事に感心しながら、ルビーを背中に庇って、こちらに迫ってくる狸男を睨み付けた。
だだっと地面を蹴りつけて、狸男がナイフを片手に斬りかかってくる。
俺はルビーを下がらせ、繰り出された狸男のナイフをすんでの所でかわした。
……流石に、ナイフ相手では分が悪いか。
俺は小さく舌打ちをして、腰のバックと一緒に括り付けてある短刀を鞘から引き抜いた。
黒い刃がきらりと光を反射した。
俺がナイフを手にした事で、条件は同じになった。狸男はそれを不利になったと取ったのだろう。体勢を立て直そうと俺から一旦距離を置いた。
……逃がすものか。
俺は腰バックから黒い球体を二個取り出し、素早く狸男の足下に投げつけた。
小型の爆弾だ。……まぁ、対人用のタイプなので、爆風が起きる程度だが、直撃すればそれなりに怪我はする。街中ではあまり使いたくはないが、仕方あるまい。
「ぎゃぁっ!!」
どかんっと二回連続で爆発音が響く。爆風にはじけ飛ばされた狸男が壁に激突して、ずるずると地面に座り込む。ナイフがからんと音を立てて地面に転がった。
これで、狸男の方は片が付いたかな。
そう思った俺だったが、案外狸男もしぶとかった。
よろりとしながらも、落としたナイフを拾おうと手を伸ばしたのだ。……見上げた根性だ。だが、見逃してやるほど、俺は甘くないんでね。
俺は手に持っていた短刀を、狸男めがけて投げつけた。ひゅっと、空気を切る音を響かせて、狸男の顔すれすれの位置に俺のナイフが勢いよく突き刺さった。
僅かに顔の薄皮を切り裂いたのか、狸男の頬に赤い線が走った。
「………………」
あと数ミリ、距離が近かったならば、顔面に突き刺さっていただろう。その事実に狸男は青ざめ、あまりの恐怖にかくんっと、首が傾いて失神した。……一丁あがりっと。
「――うあっ!!」
俺が狸男を始末している間に、牛男と対峙していたジャックが、牛男に弾き飛ばされ悲鳴を上げた。
その悲鳴に慌てて俺は振り返った。
壁に叩き付けられたのか、壁を背に、よろよろとジャックが立ち上がる様が見える。流石に、体格差がありすぎたか。
牛男が自分の勝利を確信して凶悪な顔で大剣を振り上げている。
まずい、このままでは。
俺は小さく舌打ちをして、上着の両袖に隠し持っていた二丁のデリンジャーを引き抜いた。いつも、護身用に隠し持っている愛用の小型の銃だ。
だが照準を合わせるよりも前に、細い腕に制止された。
「……ハードグラビティッ!!!!」
大気中のマナを一気に吸収し、ルビーが杖を振り下ろす。
その瞬間、重力の磁場が狂い、大剣を振りかざしていた牛男を押しつぶすように重力が襲い掛かった。
べたんっと地面に押しつけられ、牛男が倒れ込む。重力に押さえつけられ、牛男が潰れた蛙のような声を上げた。
倒れ込んだ牛男は重力に束縛され、もう身動きを取る事が出来なかった。指一本すら、動かせないその様子に、俺は僅かに青ざめた。
…………すっげぇ魔法だ。そういえば、ルビーさんって、俺達より強いんだった……
今更気がついた事実に俺は苦笑し、壁に寄り掛かっているジャックに手を貸して立ち上がらせた。
「……女の子を人質に取ったり、力尽くで奪おうとしたり、おじさんたち、悪い人ですね。そんな人たちはお仕置きなんですからね」
ルビーは地面に這い蹲った牛男にはっきりと言い放った。それに言葉も返せない牛男は悔しそうな顔でルビーを睨み付けている。
ルビーが押さえてくれている今のうちに、自警団を呼ぶか。
俺は携帯を取り出し、アステカの自警団へと連絡を取った。これで、この連中も少しはおとなしくなるだろう。
何とか騒ぎが終結しそうな雰囲気に、安堵を覚えて胸をなで下ろした。
まさか、道案内を頼まれただけでこんな大事に巻き込まれるとは。
俺は隣のトラブルメーカーへと視線を向け、小さく溜息をついたのだった。







「……それで、私に見せたい本って何だったのかな?」
無事、牛男たちを自警団に引き渡した俺達は、路地裏から移動していたのだが、その最中にふっと思い出したのか、ルビーがそう俺達に問いかけてくる。
そういえば、あいつらに邪魔されて忘れてたけど、本を見てもらおうと思ってたんだっけ。
ジャックは荷物から例の本を取り出して、ルビーに手渡した。
「さっきの男たちが狙っていた物だ。……この本の魔術を解きたいのだが、分かるだろうか?」
ジャックの問いかけに、ルビーは興味津々な瞳を輝かせ、本のページをめくった。
「なるほど、なるほど。こういう魔法かー」
ぱらぱらと、ページをめくっていたルビーは、何か分かったのか、あっさりとそう言った。
そして、自分の荷物からペンを一本取り出すと、白紙のページに躊躇する事なくペン先を乗せた。
すらすらと古代語で何かを書き殴ったルビーは、その文字の上に手を乗せて、魔力を送り込むように目を閉じた。
大気のマナが吸収され、僅かに本に光が灯った。
その瞬間、ルビーが書いた文字は紙の中に吸い込まれるように消えていき、それと入れ替わるようにページ全体に文字が浮かび上がってきた。どうやら、本にかけられていた魔術は解除されたらしい。
ルビーは魔力を送り終え、すぅっと目を開いた。
「はい、これで解けたよ」
にっこりと微笑んで、文字の戻った本をジャックへと手渡した。ジャックはその本の内容を確認するように、ぱらりとページをめくった。
それを覗かせて貰ったが、俺は顔をしかめ、読むのを断念した。
文字が全て古代語で記されている為、俺には解読できない。ち、どんな内容か、気になってたのに。
「……なんて書いてある?」
ルビーも興味があるのか、真剣に文字を解読しているジャックに問いかける。
それにジャックは小さく溜息をつき、ぱたりと本を閉ざして、ルビーに手渡した。
ルビーは興味津々な瞳を輝かせ、ページをめくった。
「んー。何々?……○月○日、今日は雨……だったぁ~?」
……ん?本のくせに、日記のような…………ま、まさか。
俺は嫌な予感を感じ、ジャックを見ると、ジャックはげんなりした顔でうなだれ、
「…………口に出すのも恥ずかしい、古代人の日記だった……」
と、溜息をついて肩を落とした。
ちょ、待て。あれだけ苦労したのに、そんな落ちかよ。
俺はジャックの言葉に一瞬目が点になった。
「あー、確かにこれはちょっと恥ずかしいねぇ……」
日記をぱらぱらとめくっていたルビーがジャックに同意するように苦笑を浮かべた。
……そんなにひどい内容なのか。それはそれで興味はあるが、他人の日記を盗み読むという趣味は持ち合わせてないので、やめておこう。
確かに自分の日記を他人に読まれたくないという、その気持ちは分からなくもないが、わざわざ魔術までかけて隠さなくても。……本当に人騒がせな日記だな、これは。
「この本、どうするんだ?あんたの依頼人に届けるのか?」
「確かにこれは、私の探している本ではなかったな。だが、こんな物でも、依頼人の暇つぶしくらいにはなるだろう。持っていってみるさ」
ルビーから再度本を受け取って、ジャックは自分の荷物の中へと押し込んだ。結局、どんな本を探していたのか、さっぱり分からなかったが、まぁ、別に深く関わるつもりもないので、追求はしないでおこう。ジャックの周りは何かとトラブルが多そうだ。
……トラブルメーカーは一人で十分だ。(←シーの事だ)
本を詰め込んで、さっと鞄の口を締めると、ジャックはそれを背負って俺達を振り返った。
どうやら、もう行くつもりらしい。
「……色々世話になったな。ただの道案内をさせるつもりが、こんな事になるとは私も思っていなかった」
「まぁ、それは別に良いさ。あれはまぁ、しょうがない事だったし」
「この埋め合わせはそのうち何かしよう。これは私の携帯のアドレスだ。私に用がある時は使うといい」
といっても、繋がるかは謎だがな。……そう言ってジャックは目を細めて笑った。
手渡された小さなメモ用紙を上着のポケットに詰め込んで、俺もまた苦笑を返した。
「では、また何処かでな」
ジャックはそう言って、ひらりとローブの裾をなびかせて踵を返した。そしてそのまま、振り返る事なく雑踏の中に紛れていった。
現れた時もいきなりだったが、去る時もあっという間だな。
俺は見えなくなったジャックの背中を追ってみたが、やめた。また無用なトラブルに巻き込まれるのはご免だ。
「はぁ、何か色々すごい人だったねぇ」
「あんだけはっきり言う奴も珍しいよな」
「そうだねー」
取り残された俺達は、顔を見合わせて苦笑を浮かべた。一人減った為か、急に静かになったような感覚を覚え、雑踏が一層大きく聞こえた。
段々と日が傾いてきている。そろそろ宿に戻らないと槙宮のお小言を聞く羽目になるか。
俺は空を見上げ、どうやってルビーに気づかれないよう宿に戻るかを思案した。
「あれ?ねーさまだー」
と、その瞬間をまるで狙いすましたかのようなタイミングで、ルビーが雑踏の中から槙宮の姿を見つけ出した。それに俺はびくっと身体を震わせて、慌ててルビーを見た。
どうやら、今日はいつもより早く修行を切り上げてきたらしい。雑踏の中には槙宮だけでなく、ミュウラーとシーもいるようだ。
俺は三人に気づかれないよう、ルビーを制止しようとしたのだが、
「ねーさまーーー!」
時は既に遅し。さっと片手を空に掲げ、ルビーは雑踏の中の槙宮に声をかけた。
ああ、終わったな、これは……
俺はがっくりとうなだれ、頭を押さえた。
事情を何も知らないルビーは、そんな俺の様子を振り返り、きょとんとした顔を向けている。まぁ、ルビーが悪い訳じゃないから、いいけどさ。
槙宮が俺達の姿に気がついて、こちらに歩いてくる。勿論、ミュウラーもシーも一緒だ。
……俺が槙宮のお小言を食らうまでのタイムリミットはあと数秒程か。
暮れゆく空を仰ぎ見て、トラブル続きの自分を呪った。
…………ああ、今日はまったく、散々な日だったな。
そんな事をぼんやりと考えながら、歩いてくる三人の姿に俺は苦笑を浮かべたのだった。






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  1. 2008/04/15(火) 14:04:35 |
  2. URL |
  3. ぼや
  4. [ 編集 ]
今日一気に1つ目から3つ目まで読ませていただきましたよー。

すごーく楽しませていただきました。俺には文章を書く能力が皆無なので羨ましい限りなのです。

あと17このお題も楽しみにしてますねーーーノ

  1. 2008/04/19(土) 21:24:58 |
  2. URL |
  3. れあちー
  4. [ 編集 ]
うおぉ、きづかなかったーー(゜д゜)

>ぼやさん
ぶっほ、読まれたのですか(゜д゜)
コメに気づくのが遅れて失礼しましたm(_ _)m
こんなへたれ文章で楽しんで頂けたのなら幸いですw
これからも精進して頑張りまつヾ(`Д´*)ノ

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