タイトル通り、不定期更新のブログです。 気が向いたとき、更新すると思います。 内容としては、オンラインゲーム「トリックスター」「ラテール」などを中心とさせて頂いております。(時々日常のことなども書くかもです)

れあちーのきまぐれにっき

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02 情報収集

  1. 2008/03/26(水) 12:38:17|
  2. 冒険者で20のお題
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+注意書き+


魔物とは、元来凶悪なもの……
レベルとか、そういったものを考えずに、どうぞお読み下さい。
(一部残酷表現がございますので、そういったものに不快感を覚える方はご遠慮下さい)



今回はちょっと長いです。それを覚悟で、続きをどうぞw(`・ω・´)ノ



02 情報収集





風が吹き抜ける。乾いた砂を攫いながら、旅人の行く手を阻むように。
向かい風に視界を奪われながら、俺は目元を手で庇い、前方を見据えた。
……見えた。俺は彼方に見えた光景に、目を細めた。
「ぶぇぇ、口の中がじゃりじゃりするのだー」
後からついてきた少女の泣き言が聞こえ、俺は彼女を振り返った。
ぺっ、ぺっと、口の中に入った砂を吐き出しながら、青い瞳を俺に向けるシー。そんな彼女に、俺が見た景色を見せるように、僅かに身体をずらし、視界を誘導した。
「……うわぁ、街だーー」
彼女も俺が見た物を見つけたらしく、嬉しそうに顔をほころばせた。それに俺は頷きながら、
「……古代遺跡の街、アステカだ」
と、シーにとっては初めて訪れる事となる街の名を教えた。
元々、古代遺跡を元にして作られたこの街は、石壁作りの建築物が多い。街の中には、昔の儀式か何かで使われていたであろう祭壇なんかもあったりもする。
まぁ、最も、今ではそんな儀式は、知識すら失われているのだが。
古代遺跡が多い場所なので、歴史学者やトレジャーハンターが多い。
もちろん、冒険者も数多くこの街を訪れている。
この街で商業をしている者は、冒険者たちから利益を得ている。その為、冒険者が必要とする物は大抵揃えられている。
それ以外にも、ここの商人たちは、遺跡から持ち帰った貴重な採掘品を、冒険者から買い取ったりもするらしい。そのおかげか、中々掘り出し物があったりもする。そして、それを売って、商人もまた利益を得るという。まぁ、持ちつ持たれつ、という奴だ。
「……今日は野宿しなくてすみそうだな」
「ふかふかのベッドがあると良いなぁ」
どうだろうな。そう、言葉を返しながら、歩みを止めていた足を、再び踏み出して、俺達はアステカへと向かった。







「うぅ、人が多いのだー……」
「まぁ、流石に、冒険者とかが多い場所だからな……」
すれ違う人の多さに、人混みに押しつぶされながら、シーが唸った。それに俺は苦笑を浮かべるしかなかった。
流石に大通りともなると、人通りが多い。
メインストリートとなる場所だけあって、道の至る所で露店が開かれている。それを目当てにここを訪れる者もいるくらいだから、ここの市場は活気にあふれている。
このままでは、宿に着く前にシーとはぐれる可能性がある。
それを危惧した俺は、シーを見失わないよう、彼女を捕まえようとしたのだが。
ぎゅっと、それよりも先に、シーに俺の服を掴まれた。上着の裾を握りしめ、絶対に離れないぞ、と必死に掴まってくる様子が、何だか微笑ましく感じる。
まぁ、何度もここを訪れている俺と違って、シーは初めて訪れた場所だ。俺とはぐれたら、見知らぬ街を一人で彷徨わなければならなくなる。流石にそれは嫌なのだろう。
なるべく、シーが歩きにくくないよう、壁になるように人並みをかき分ける。
俺もあんまり体格がいい方ではないから、たいした面積は作れないが、小柄な彼女ならこれくらいのスペースが出来れば、歩きやすくなるだろう。
そうして、しばらくメインストリートを歩きながら、本日の宿となる場所を探して視線を巡らせていたのだが……
「……あ」
ふっと、見知った人影を見つけ、俺は声を上げた。それにシーも、その存在に気がついたらしく、俺の服を離すとその人影に向かって走り寄っていった。
「ママーーーーーー♪」
「……え?」
シーが声を上げ、背中を向けていた小柄なその影へと抱きついた。それに抱きつかれた小柄な羊族の女性は、驚いたように抱きついてきた存在を見下ろした。
「え、シー?何でここに……」
シーと同じ、金色の髪を持つ童顔な女性は、シーの存在に気がつくと、驚いた顔で彼女を見つめた。それにシーは、えへへと顔をほころばせ、女性を見上げた。
そう、この童顔で一見すると少女のようにも見える羊族の女性は、紛れもなくシーたち兄妹の母親だ。名を、槙宮という。
羊族は元来、他の種族と同じ程度の寿命しか持ち合わせてはいないのだが、彼女は長命の龍族の血を引いている。その為、外見は幼い少女のようにも見えるのだが、これでも、俺よりずっとずっと年上だ。俺と同じくらいの息子やシーがいるのも頷けるというものだ。
まぁ、最も、シーたち兄妹と、槙宮の間に血の繋がりはないそうだが、その辺の詳しい事情については聞こうとは思わない。
それぞれ、何らかの形で事情を抱えているものだ。知らなくてもいい事は世の中に多い。
「……何だ、シーじゃないか」
と、槙宮の隣にいた青年が、シーの存在に気づき、手に持っていたビラから顔を上げた。
さらりとした銀色の髪、すらりと伸びた手足。そして、鍛え上げられた屈強な肉体を持つその青年は、シーの姿に顔をほころばせて、彼女の頭をなでた。
それにシーは目を細めて、えへへーと、嬉しそうに笑った。
彼の名はミュウラー。現在、槙宮の恋人という立場の青年だ。まぁ、年は若いがシーたちにとっては父親代わりと呼べる存在だ。彼女の兄も、彼を尊敬の対象としているくらいだし。
牛族は元々大柄な体格の者が多い。彼もまた、そんな中の一人だった。
身長も優に180cmはあるのではないだろうか。只でさえ小柄な槙宮と並ぶと、巨人と子人のような状態となってしまっている。まぁ、槙宮は女性だし、それは仕方のない事だが。
その身長の高さを、うらやましいとちょっと思う。で、でも、俺だってまだ成長段階だ。いつか彼に並ぶくらいの身長が欲しいと思っている。
「なんだ、お前等も来てたのか」
「……ラフィオ」
俺は頭を掻きながら、二人に近づいた。それに二人も俺の存在に気がついたらしく、その瞳を俺に向けた。
「まさか、こんな所で会うとは思わなかったわ」
「俺もだよ」
くすりと、笑みを含んだその言葉に俺も軽く肩をすくめて見せた。
俺とこの二人は、共に行動する事が多い。冒険者としての仕事をこなす時も、大抵手を組んでいる。その方が、よりでかい獲物を狙う事が出来るし、一人ではこなせない依頼も、この二人となら安心して受ける事が出来る。
最初の頃は馬が合わなかったり、喧嘩したりした事もあったが、なんだかんだで、今の信頼関係を築いている。まぁ、シーを任されてからは、俺は別行動を取らせて貰っているが。
しかし、魔物の討伐の依頼を受けていたはずの二人が、何故ここに。
俺の疑問を察したのか、ミュウラーは手に持っていたビラを俺に見せるように紙面をこちらへと向けた。
「…………俺達の追っていた魔物が、この近辺に生息しているらしい」
「……人を襲った魔物、か。中々な懸賞金だな」
俺は見せられたそのビラへと視線を走らせた。それに槙宮は頷いてみせ、
「襲われた人の中で死んだ人はいないけれど、かなりの負傷者が出たそうよ。だから、この懸賞金。……人を襲った魔物を放置する事は危険だもの。早く討伐して欲しいのでしょうよ」
と、言葉を続けた。
人を襲った魔物を放置すれば、いつまた、村や町を襲うかわからない。そういった危険な魔物の討伐も冒険者の仕事の一つだ。その見返りとして、街の自警団やこの島を管理しているメガロカンパニーから懸賞金が出るというシステムだ。
「……だけど、この懸賞金という事は……こいつ、強いのか……」
「……そういう事だ」
危険な魔物ほど、懸賞金の額は上がる。それだけ、凶悪な存在という事だ。
俺の問いかけに、ミュウラーは僅かに表情を硬くし、小さく頷いた。
「だから、今、ミュウラーと話していたの。取り分は減ってしまうけれど、確実性を取るならもう一人くらい、協力者を募ろうかと」
そう言って、槙宮はミュウラーと顔を見合わせる。それに俺は二人が何を言わんとしているかを悟り、僅かに顔をしかめた。
「……………そこで、俺の登場って訳か……」
「察しが良くて助かるわ」
「……そりゃどうも」
槙宮がにやりと口元を僅かに引き上げ、笑う。こんな事で褒められても、嬉しくないな。
どうやら、厄介な時に出くわしたと悟った俺は、どうするか、と思案しながら、いまだ槙宮に抱きついているシーを見下ろした。シーは状況をよく理解してないらしく、きょとんとした顔を俺に向けた。
俺が討伐に加わるとなると、シーにはここの宿屋で待機していて貰わなければならない。
戦闘経験のほとんどないシーでは、悪いが足手まといにしかならない。しかし、それをはっきり告げた所で、このおてんば娘が言う事を聞くかどうか…
「……今の状態のお前に頼むのは気が引けるが、引き受けてくれないか?」
お前になら、安心して背中を預けられる。そう、続けるミュウラーはまっすぐとその黒い瞳を俺に向けた。
…………そんな風に言われたら、断れないじゃないか。
確かに、見知らぬ誰かと噛み合わない連携を組むよりも、俺ならば、ずっと二人と戦ってきた経験がある。そこら辺の冒険者よりも、俺の方がいいに決まっている。
俺だって、背中を預けるなら見知った仲間の方がいい。
だがそうなると、厄介な問題がついて回る事になる。
さて、どうやってシーを納得させようか。その苦労を考えて、俺は肩をすくめた。
「……いいだろう、引き受けよう」
「ありがとう、ラフィ」
「……すまないな」
俺の返答に、二人は僅かに顔をほころばせる。俺はそれに目だけで応え、今度はシーへと視線を動かした。目線を合わせるように、僅かに腰をかがめ、シーと向き合った。
「……と、言う訳で、悪いな。シー。少しの間、宿の方で待っていてくれるか?」
「悪い魔物を退治に行くの?」
「……そうだ」
どうやら、彼女なりに俺達の会話を理解していたらしい。彼女の大きな瞳がまっすぐに俺を見つめる。
「なら、シーも一緒に行く!」
………………やっぱり、そう来たか。
挙手をするように、ぴしっと手を挙げて宣言するシー。何となく予想はしていたが、やっぱり、そういう事を言い出すか……
俺は小さくため息をつき、シーを睨むように見据えた。それにシーも、睨み返すように俺をまっすぐに見据え返してきた。こういう時のシーは厄介だ。
「だめだ。お前は宿に待機。これは絶対だ」
「やだ!シーも行く!シーもお手伝いする!!」
俺の言葉に反感を抱き、声を荒げるシー。それに俺は苛立ちを隠しきれず、僅かに声音が荒くなる。
「……だめだったら、だめだ!宿で待ってろ!」
「やだ!!!!」
不毛な会話が辺りに響く。その声の大きさに、通りを行く人々が何事かとこっちを見る。だが、今はそんなものに構っている暇はない。俺は頭の中でどうやってシーを説得しようかと思考を巡らせていた。
ばちばちと、俺達の間で火花が散る。どうしてこういう時になると頑固なんだ。
元々意志が強いのは知っている。だが、今はおとなしく引き下がる時だと、何故分かってくれない。これは、お前を守る為なんだと、そう言っても、今のシーは聞く耳を持たないだろう。
「……シー。我が儘を言わないで。これは貴方の為なのよ」
「……っ…………ママ……」
平行線を辿る俺を見かねたのか、横から槙宮が割り込み、シーを宥める。
「だから、今日の所は、おとなしくラフィの言う事を聞いて。貴方には、別の時にお手伝いして貰うから」
ねっ、と槙宮はシーに笑いかけながら、そう言った。その言葉に不満げではあるのだが、シーはしぶしぶと頷いた。
流石はシーの母親だけの事はある。俺が言いくるめられなかったシーを、難なく言いくるめてしまった。
内心で助かったと思いながら、槙宮に目で感謝の意を伝えた。それに槙宮は、軽くウィンクして返してくれた。
「もう少し行った先に、宿屋があるわ。私たちもそこで宿を取っているの。貴方達、まだ宿を決めていないでしょう?先に行って、宿を取っておいてあげてね、シー。夜になってからでは、宿も埋まってしまうわ」
槙宮は道の先を示しながら、シーに告げる。どうやらこのまま魔物の討伐へとむかうようだ。シーに宿を任せられるなら、ありがたいのだが……
「……頼んだぞ、シー」
俺はシーを見下ろして、声をかけたが、まだ腹を立ててるらしく、ぷいっとそっぽを向かれてしまった。それに俺は肩をすくめるしかなかった。
「とりあえず、街の外へは出るなよ?危ないからな」
何はともあれ、念を押して釘を刺しておかないと、何をしでかすかわらかない。だが、俺の言葉は火に油を注ぐようなものだったらしく、シーはぱっと顔を上げ、俺に向かってあっかんべーっと舌を出した。
……可愛くない顔だな。
「言われなくったってわかってるもん!ラフィにーちゃなんか、知らないもん!!勝手にどっか行けばいいんだもん!!宿だって、取っておいてあげないんだからね!!!」
……そう捨てぜりふを吐いて、シーは俺達に背を向けて走り去っていった。
「おい、シーっ!!!」
呼び止めるように声を張り上げたけれど、俺の声は雑踏に紛れて地面に落ちた。あっという間に雑踏に紛れ、姿を消したシーの姿を追って、視線を巡らせてみたけれど、流石に人通りが激しすぎて、彼女を見つける事は出来なかった。
それに俺は顔をしかめ、盛大なため息をついた。
「……あの子ったら……後でよく言って聞かせるわ」
そう言いながら、槙宮が俺の肩を叩いた。結局、俺一人では説得できなかったな。
やはり、俺はシーの教育係としては不適任なんじゃないだろうか……
「まぁ、街の中にいる分なら危険はないだろう。心配だが、こちらも早くしなければ、同業者に獲物を横取りされてしまうからな」
「シーの事はとりあえず、あの子自身に任せましょう。まだ子供だけど、貴方の言った事が分からない程、愚かではないと思うし」
それぞれ、俺を気遣うようにそう言葉を告げてくれる。確かに、俺達にはあまり時間はない。日が暮れてからでは、魔物を狙うのは危険すぎる。只でさえ、この近辺は夜行性の魔物が多い。夜には街へ戻らなければ、危ないのは俺達の方だ。
「……で、その魔物はどこにいるのか、しっかり情報はあるんだろうな?」
俺は伺うように二人へと視線を向けると、それはもちろん、と二人はにやりとしながら顔を見合わせた。
流石に熟練冒険者だ。情報収集は基本中の基本だからな。
一抹の不安はあるけれど、とりあえず目の前の事を片づける事が先決だ。
俺達は軽く準備をすませ、早々と魔物退治へと出かける事となった。






「……っ、墜ちろ!!」
ばさばさと、飛びかかってくる目障りな魔物へと、ライフルを構え俺は容赦なく引き金を引く。
弾丸を発射すると同時に腕に走る衝撃。その衝撃に、一瞬、身体を後退させながら、俺は踏みとどまるように、足に力を入れた。
じゃりっと、僅かに土が抉られる音が響いた。
「はぁっ!!」
次の獲物へと狙いを定める俺の背中側で、ミュウラーが気合いを入れるように声を上げ、その両刃の剣をぴょんぴょんと飛び回る仮面を付けた奇妙な魔物へと振り下ろす。
鋭い斬撃に魔物が声を上げた。彼の正確な剣さばきは、長い年月によって精練されたものだ。彼の剣からは何人たりとも逃げられまい。
「……風よ、私を守る刃となれ!」
大気中のマナを集め、槙宮が短い詠唱を発する。その瞬間、風が凶器となり、俺達にまとわりついてた厄介な魔物たちに襲いかかった。
ごおぉと、狭い洞窟の中で風が吹き荒れる。だが、その風は俺達に敵対する者しか襲わない。
その身全てを刃と変え、魔物たちを切り裂いた風は、俺達に害なす者がいなくなったと判断すると、自然とおとなしくなった。
「……ふぅ、ようやく撃退したか」
俺は辺りの惨状を見回し、軽く息をついた。それに二人も、安堵するように息をついて、それぞれの獲物を鞘へと収めた。
「しかし、随分奥まで来たな」
俺は足下に置いておいたランタンを手に取ると、暗い洞窟の中を見回した。
元々、遺跡の跡地だったこの洞窟の中は、ぐねぐねと入り組んだ道をしており、まるで迷路のようだった。
じめじめと、暗く湿っぽいこの洞窟は、夜行性の魔物たちにとっては格好の住処となっている。そして、それは、二人が追っていた魔物にとっても同じ事だったらしい。
カバリア遺跡跡地。この洞窟はそう呼ばれていた。
「まさか、これ程魔物たちが住み着いているとはな」
ちょっと誤算だったな、とミュウラーが肩をすくめる。それに同感、と俺は苦笑した。
まぁ、俺達三人が寄れば、どんな敵が来ても怖くはない。
大抵の敵は楽に片づける事が出来る。が、油断は大敵だ。
「早く、獲物を見つけるわよ。こんな所にいたら、身体がいくつあっても足りないんだから」
「そうだな」
槙宮の言葉に俺達は同意し、再び奥へと進む為に歩き始めた。
暗い道を歩く時は神経が過敏になる。
見えない場所からの襲撃は最も気をつけなければならない事だ。只でさえ、ここは魔物の巣窟。どこで息を潜め、俺達を狙っているか分からない。地の利は魔物たちの方にある。
「……そういえば、まだ聞いてなかったけど、お前等が探してる魔物の特徴は?」
俺はなるべく声を潜めつつ、二人に問いかける。流石に洞窟の中だけあって、小さく声を潜めても、若干響いてしまう。
「……ガブム、という名称で呼ばれている魔物よ。まぁ、何というか、外見は人間くさいというか……」
人間くさい外見?
俺はその言葉に、想像がつかなくて怪訝な瞳を槙宮に向けた。
「炭坑の作業夫のようなヘルメットをかぶって、ガスマスクをつけているの。でも、身体は毛むくじゃらの魔物だから、すぐに分かると思うわ」
…………ヘルメットに、ガスマスク……ねぇ。
魔物がどうやってそんなものを手に入れたのか、それが気になる所だ。
俺は思考が脱線するのを感じながら、まだ見ぬガブムという魔物の事を考えた。
「だが、外見に惑わされるなよ。体格は2メートル近い熊のような奴だ。まともにやり合えば、まず力では敵わないだろう。……奴が旅人を襲った時、近くには屈強な剣士がいたらしいんだが、敵わなかったそうだ」
……そりゃ、恐ろしいな。
本当に厄介な魔物である事を再確認させられ、俺は心の中でため息をついた。
前線に立つ事の少ない俺では、まず力比べにもならないだろう。そうなると、やはりミュウラーに前線に出てもらい、俺と槙宮で後方支援。それがベストの作戦となるだろう。
それを承知しているのか、ミュウラーは力を温存して戦っている。
いざという時、疲れ切っていたのでは話にもならない。
やはり、戦況を見るのが得意な人だ。
……と、そんな事を考えていた俺は、空気に違和感を感じ、辺りに神経を研ぎ澄ませた。
じゃり、じゃり、何かの足音が、急激に近づいてくる。
「槙宮!横に飛べ!!」
俺は直ぐさま、言葉を発した。槙宮はいきなりの事に動揺したが、俺の言葉を信じ、立っていた場所から直ぐさま横へと避けた。
その瞬間、振り下ろされた毛むくじゃらな腕。あのまま、その場に立っていたならば、槙宮はその腕の餌食となっていたであろう。
俺は銃を構えて、突然現れた招かれざる客を見据えた。
槙宮とミュウラーも、素早く魔物から距離を置き、獲物を構えた。
炭坑の作業夫のようなヘルメット、そして、ガスマスク。先程、槙宮から聞いた通りの外見をした巨大な魔物が、俺達を見据える。
間違いない、こいつが俺達の獲物。ガブムだ。
「……手荒い歓迎ね。そんな乱暴な手では女の子はエスコートできないわよ」
槙宮が、軽口を叩くようにそう言った。
そりゃ、エスコートできないだろ、魔物なんだから。
と、当たり前な事を頭の中だけで返しながら、今銃に装着されているマガジンを引き抜いた。そして、素早く腰のバックから替えのマガジンを取り出して、装着し直す。使い終わったマガジンは腰のバックの中へと収まった。
手慣れた作業で弾を入れ替えて、再び照準をガブムへと合わせ、容赦なく引き金を絞った。
ダァンッと空気が破裂する音が響き渡る。その音を合図に、俺達の戦いの火ぶたは落とされた。
俺の弾丸はガブムの肩口を貫いた。が、どうやら相当硬い毛皮をしているらしく、たいしたダメージを与えられなかった。……どんな毛皮してんだ、この魔物は。
流石に、通常の火薬量の弾丸ではガブムには歯が立たないらしい。まぁ、ある程度予想がついていた事なのだが。
ミュウラーがダッと地面を蹴りつけて、ガブムへと斬りかかる。
振り下ろされた剣を、俺の時同様、硬い毛皮で防ぐガブム。これは、本当に厄介な敵らしい。
その巨木のような腕を振り回し、襲いかかってくる。ミュウラーは剣でその腕の直撃を防いだが、あまりの衝撃に身体が後退した。
弾き飛ばされながら、足を踏ん張り、数歩後退しただけで耐えきった。
ミュウラーが前線でガブムを抑えなければ、俺達では歯が立たない。
それを理解しているからこそ、ミュウラーは最前線まで前へと飛び出していく。
ミュウラーが前線でガブムを抑えている隙に、俺達が対抗策を見つけなければならない。
先程の一撃の通り、普通に撃ったのでは、ガブムへとダメージを与える事が出来ない。だからといって、闇雲に撃っているだけでは、流れ弾がミュウラーへと当たってしまう可能性が高い。
ならば、どうするか。
答えは簡単だ。
俺はその場に片膝を付き、足場を固定する。
ライフルを構え、普段は使わないスコープを覗き込む。
そして、必ず訪れるであろう、その機会を待った。
ガブムは腕を振り回し、ミュウラーを退けるように闇雲に暴れ回っている。
ちらりとミュウラーが俺の様子を目だけで確認する。俺の意図を読みとってくれたらしいミュウラーは、小さくこくりと頷いた。
「……あんまり、俺を甘く見るなよ!」
ぎらりとした瞳をガブムへと向け、ミュウラーは不適な笑みを浮かべた。
只暴れ回るだけの魔物に、冒険者が劣る訳にはいかない。
ミュウラーは短く呼吸を整えると、全身の気のエネルギーを一気に高めた。
「はあぁぁっ!!」
気合いを入れる声と共に、赤いオーラのようなものが、彼の体を覆った。
全身の気をコントロールして、一時的に自分の肉体を強化する技だ。熟練した戦士にのみ使えるその技は、闘気とも呼ばれている。
いつまでも、ガブムに良いようにやらせるつもりはない。ミュウラーは防戦一方だった体勢から、一気に攻めに入った。
「ダークミストッ!!」
見計らっていたのか絶妙なタイミングで、槙宮が大気中のマナを集めて、魔力を解き放った。
黒い霧がガブムの視界を遮るようにまとわりつく。視界を失ったガブムは闇雲に腕を振るうが、そんな当てずっぽうではミュウラーを捕らえる事は出来ない。
そんなガブムへと突進するように、ミュウラーは地面を蹴りつけた。
その瞬間、最大まで肉体強化されたミュウラーの身体は残像すら残さず、かき消えた。
一閃、二閃、三閃、四閃、五閃……光の軌跡だけが、次々と増えていく。
凄まじい程のスピードで、ガブムを四方から切り刻む。その恐ろしいスピードに、たかが知能の低い魔物が対応できる訳もなく。
止めといわんばかりに、ミュウラーは最後の一撃を身体全体を使って、ガブムへと叩き込んだ。残像すら残さない程のスピードに乗せて放たれたその一撃の破壊力は底知れない。
その一撃をもろに食らったガブムは、ぐらりと上体をのけぞらせ、バランスを崩した。
チャンスは来た。
ミュウラーが作ってくれたこの一瞬の隙を、逃す訳にはいかない。
今この銃の薬室に入っている弾は通常の火薬量の二倍入った弾へと入れ替わっている。その分、一発撃った後の衝撃が重く、装填に時間がかかる。
勝負は一発だ。
俺は全身全霊の精神を集中し、呼吸を止める。そして、ガスマスクに隠されたガブムの左目へと照準を合わせ、引き金を絞った。
―――ズダァァァァァンッ!!!!!
瞬間、耳元で響いた銃声。抱えていた銃身から重い衝撃が俺の身体を震わせた。
俺の放った弾丸は、逸れる事なくガブムの左目を貫いた。
ガスマスクの目の部分が割れ、その中の眼球にまで達したようで、ガブムは声を上げて仰け反った。
「……大いなるマナよ。力を貸して……」
槙宮が再び、魔力を高め、そして、ガブムへと最大の攻撃を解き放つ。
「マジックアローッ!!!!」
光の雨のように、魔法の矢がガブムへと襲い掛かる。
四方八方から、その矢はガブムの身体を貫いていく。矢に貫かれたガブムは断末魔の声を上げた。
その声は、苦悶に満ちていて、命を奪うという事の虚しさを伝えている。
だが、これは仕方のない事だ。
魔物を討伐するというのは、こういう事なのだから。
たとえ、生きる為にやむなく人を襲ったのだとしても、人を襲った以上、それは危険な存在として、俺達に敵対する者となる。
そこにどんな事情があるとしても、お互いを理解し合う事の出来ない俺達に、選択の余地などないのだから。
俺達の仕事は、ただ命を奪う事なのだから。
……そして、奪った命の分だけ、俺達は明日への糧を得て生きていくのだから……
できれば、シーにはこういう血生臭い事はして欲しくない、と、少し思った。
ズズゥンっと、ガブムの巨体が地面に沈む。
どうやら、槙宮の魔法を食らって、絶命したようだ。
俺は警戒をほどき、小さく息を吐いた。緊張していた全身の筋肉がゆっくりとほぐれていく。
「終わったか……」
「ええ、仕留めたわ」
ミュウラーの問いかけに、槙宮は自信たっぷりにそう答えた。魔法の威力というのも、恐ろしいものだ。
槙宮が敵でなくて良かったと思うのは、これで一体何度目だろうな。
俺も立ち上がり、銃を肩に担ぎながら、倒れたガブムに近づいた。
「さて、倒した証拠はどうするんだ?首でも持っていくのか?」
二人を振り返りながら、俺は問いかける。こういった魔物討伐では倒した事を証明できなければ、懸賞金を貰う事が出来ない。
その為、倒した魔物の牙や、首などを持っていく場合が多い。
「……そうだな。首辺りが無難だろうな……」
まぁ、ちょっとサイズがでかいけどな、と続けながら、ミュウラーは苦笑した。
確かに、2メートルもある巨体の持ち主だけあって、顔もそれなりにでかい。持っていくのは骨が折れそうだ。
そんな事を考えていた俺は、突如として響いてきた少女の悲鳴に、現実へと引き戻された。
「ひやぁぁぁぁ、こっちにくるなぁぁぁぁっ!!!」
どこかで聞き覚えのある声。この声は、まさか。
ばさばさと、翼を持つ一つ目の魔物に襲われて、こちらへと走ってくるその姿は、紛れもなくシーだった。
あいつ、あれだけ、宿で待っていろって言ったのに……
魔物に襲われているシーの姿に、ミュウラーが慌てて剣を構えて、地面を蹴った。
だが、それでは遅い。
通常の弾丸では、届かない程の距離。だが、今薬室に装填されているのは、火薬量二倍の特殊弾だ。
俺は銃をかまえ、瞬時に狙いを定め、引き金を絞った。
銃声が鳴り響き、シーに襲い掛かっていた魔物が破裂するように吹き飛んだ。
銃口から硝煙が立ち上る。薬莢が地面に落ちて、ころころと転がった。
「……た、助かったのだー」
危機が去った事を悟ったシーは、へなへなとその場に座り込んだ。それを見た槙宮は慌ててシーの側へと駆け寄った。
「怪我はない?大丈夫?」
「……だ、大丈夫なのだ……」
心配して、おろおろとする槙宮の姿に、シーは怒られるだろうと予想していた為か、きょとんとした顔を向けている。
まぁ、なんだかんだで、娘が大事なのだ。子供を心配しない親などいないだろう。
……だが、今の俺にはそんな事は関係ない。俺はシーを見据え、口を開いた。
「…………さて、シー。説明して貰おうか?」
静かに怒りを込めた声音で声をかけたら、流石にお気楽なシーでも気がついたようだ。
びくりと身体を震わせて、俺の方を見た。
「……俺は、宿で待ってろ、と、言ったよな?……そのお前が、何でここにいる?」
「……あ、あはは……」
俺の言葉に、シーは表情をこわばらせた状態で、乾いた笑いを浮かべた。
どんな言い訳が聞けるか、見物だな。
「……え、えっと……こ、これが今回の悪い魔物だったの?」
苦し紛れに話題を変更しようとするシー。立ち上がり、俺の後ろに倒れているガブムに気がつくと、好奇心旺盛な瞳を輝かせ、走り寄ってきた。
「……なんか、変な格好した魔物さんだね」
ガブムがつけているヘルメットとガスマスクを見て、シーは第一声、そんな事を言った。
確かに、このガブムの格好はおかしい。おかしいが、今はそんな事を話していたんじゃないはずだよなぁ。
「…………シー。俺の問いに答える気はないのか?」
「………………うぅぅ……」
じぃっとシーを見下ろしていると、シーはようやく観念したのか、俯いた。
「……だって、シーだってお手伝いできるって、言ったのに……置いてくから……」
ぼそり、ぼそりと、言い訳を口にするシー。その様子に、俺は盛大なため息をついた。
「…………よくわかったよ。シー。お前は俺の言う事なんか、何一つ聞いてはくれないんだな」
「…………えっ……」
淡々と、紡ぐ俺の言葉にシーは顔を上げ、慌てたように俺を見た。
俺はその視線を避けるように、彼女に背を向けた。
やはり、俺では彼女の教育係には不適任だったのだ。
「……槙宮。シーの護衛の件は、これで終了にさせて貰う。俺ではシーを教育する事は出来ない。他をあたってくれ」
俺ははっきりと、シーとの決別を槙宮に宣言する。その言葉にシーが息を飲み込み、縋るように俺の腕を掴んできた。
「……え、うそ、やだよ、ラフィにーちゃ……」
嘘だよね……そう、力無く問いかけてくるシーの様子に、一瞬胸がずきりと痛んだ気がした。
だが、俺はもう決めたのだ。俺ではシーを守りきる事が出来ない。そんな者に、彼女を教育する資格などないという事だ。
「……っ……シーが、言う事聞かなかったから、怒ってるの?なら、良い子になるよ……だから、シーを置いてかないでよ……」
ぐすり、と泣いているのか、僅かに鼻声になった彼女の声が、そう言った。
俺はその声を拒絶するように、瞼を伏せた。
……だが、その瞬間、首筋の辺りがちりちりと、毛が逆立つような感覚を訴えた。
俺は嫌な予感を抱え、後ろを振り返り、息を飲み込んだ。
「……シー、ラフィオッ!!!」
ミュウラーが危険を察知して、声を張り上げた。俺自身、いきなりのその事態に、一瞬我を見失って、立ち尽くしてしまった。
「…………え、何?」
俺達の様子の変化に気がついたらしいシーは、自分の後ろを振り返った。
シーと俺の目の前に、瀕死のガブムが、荒い呼吸をたてながら、迫っていた。
「……あ、あ、あ………」
間近で殺気を発する魔物を目の当たりにしたシーは、あまりの恐怖に言葉を詰まらせた。
半分以上、白目をむいているガブムは本能だけで俺達をその凶悪な腕の餌食にしようと、目にもとまらぬ早さで腕を振り上げた。
そしてその腕は、一番近くにいるシーを狙っていた。
「シー、逃げてぇっ!!!」
槙宮の悲痛な声が叫ぶ。だが、恐怖に身をすくめているシーには避ける事は出来ない。
俺は硬直していた身体を無理矢理に動かして、地面を蹴った。




重い衝撃が、俺の身体を軽々と弾き飛ばした記憶を最後に、俺の意識は闇の中へと沈んだ……











「……から、あれ程ついてきてはいけないと言ったのに」
「うっく……ひっく……ごめ、なさ……ひっく……」
まだ覚醒しない意識の中で、槙宮とシーの言葉が俺の脳へと伝わってきた。
その声が聞こえたと同時に、俺の脳はようやく機能を回復したらしく、急速に覚醒を迎えた。
……ガブムは、どうなった。シーは無事なのか。
俺は瞬間的に焦燥感にかられ、飛び起きた。
「……っ……」
だが、無理矢理体を起こした瞬間にぐらりと世界が歪む感覚を味わい、俺は再び地面に逆戻りした。
「……目が覚めたか」
俺の傍らから、ミュウラーの声が聞こえる。俺はぐらぐらする頭を押さえながら、そちらへと視線を向けた。
「無理に起きるな。頭を強く打ってるんだからな」
ズキズキと痛みを発する頭が、ミュウラーの言葉の正しさを訴えている。
瀕死のガブムと対峙して、その後どうなったのか、俺は記憶を呼び覚ます事が出来ず、ミュウラーを見た。
「……シーを庇って、お前はガブムの腕に弾き飛ばされたんだ。……安心しろ。シーは無事だ。ガブムも、俺がとどめを刺した」
俺の意図を読みとって、ミュウラーは状況を説明してくれた。
その説明に、気を失う前の記憶がよみがえり、ああ、と小さく声を上げた。
そうだった。咄嗟にシーの身体を押しのけて、俺が前に飛び出したんだった。
それで、無様にやられた……と。なっさけな……
俺は顔を押さえ、自嘲した。
「ラフィが目を覚ましたぞ」
ミュウラーの言葉に、槙宮とシーがこちらへと駆け寄ってくる。
俺は無理矢理体を起こし、二人を見た。
まだ少し、視界がぐらぐらする、が、いつまでも寝てはいられない。
「気分はどう?」
「……サイアク」
槙宮の問いかけに、俺は頭を押さえて苦笑を返す。まぁ、街に戻るだけなら何とかなるだろう。
「……ひっく、ひっく……ぐす……」
と、目の前にやってきたシーは、涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔をしていた。
すっごいありさまだな。
「ごめ、なさい……ラフィにーちゃぁ……」
ひっく、ひっくと、しゃくり上げながら、謝罪を口にするシー。お前が謝る事じゃないだろう、と俺は苦笑を浮かべ、シーの頭をなでてやった。
「あれは仕方ない事だった。お前が気に病むな」
それに、シーの尾行に気がつかなった俺達の落ち度だ。責任は俺達にもある。
「でも……でもぉ……」
ぐすぐすと、泣きじゃくるシーの様子に、俺は頭を掻いた。
「よく言って聞かせたわ。……不用意な行動は、自分の命だけじゃなく、周りの命も危険にさらすのだと。……これでこの子も懲りたでしょう……」
槙宮がティッシュを取り出して、シーの鼻をかませながら、そう言った。
まぁ、シーには一番の薬になったのかもしれないな。……俺が吹っ飛ばされたのも、無駄じゃなかったのかな。
「……やはり、これ以上迷惑はかけられないわ。シーの護衛の件は今日をもって終了に……」
槙宮は苦い表情を浮かべながら、そう言葉を続けた。その言葉に、シーが慌てて顔を上げた。
「やだっ!!ラフィにーちゃ……シーの先生、やめないでっ!!」
ぶんぶんと頭を振って、俺に抱きついてくるシー。どんっと、体当たりするような勢いで抱きつかれ、ぐらりと世界が歪んだ。
くっそ、普通の状態なら、別にこの程度の体当たり、問題はないのに……
俺は何とかその衝撃に耐え、シーを受け止めた。
「……だけど、シー……」
「迷惑なのは分かってる!でも、ラフィにーちゃがいいの!ラフィにーちゃじゃなきゃ、やだっ!!!」
ひしっと必死にしがみついてくるシーの姿に、俺は困惑して、縋るように槙宮を見上げた。が、槙宮もこれ程までのシーの反応に、ただただ驚いている。
何で、俺なんかでいいと思うんだよ。
俺はしがみついてくるシーを見下ろし、肩をすくめた。
「……なら、今度からはちゃんと俺の言う事を聞くか?」
「聞く、何でも言う事聞く!」
「……我が儘は言わないか?」
「言わない、シー、良い子になるっ!!」
俺の言葉に、必死に応えるその姿に、苦笑を浮かべるしかなかった。
小さくため息をつき、槙宮を見上げた。
「……シーがそう言うなら、また護衛を続けてやれるが、どうだろうか?」
俺の言葉に、シーが弾かれたように顔を上げた。槙宮が少し俺を気遣うような瞳を向けたが、
「貴方がそれで、いいというのなら」
お願いするわ。そう、静かに槙宮は言葉を続けた。
と、言う訳で、俺と槙宮の契約は再び継続される事となったわけだが。
「良かったな。シー」
ミュウラーがシーの頭をぐしぐしとなでる。それにシーはようやく笑顔を見せ、
「うんっ」
と、大きく頷いた。
何で俺なんかにそんなにこだわるのか謎だが、シーがそれで良いというなら、もう少しつき合ってやるか。
俺は苦笑を浮かべながら、再び抱きついてきたシーを引っぺがした。
……俺の苦労はまだまだ続くらしい。






その後、ミュウラーがガブムの首を抱え、俺は槙宮とシーに身体を支えられながら、街に戻る事となった。
女二人に支えられて歩くなんて、なっさけな……
俺は自嘲を禁じ得なかった。
まぁ、とりあえず、宿まで戻ってしまえば、後はどうともなれという感じだ。
俺の横で、必死に俺を支えてくれているシーの姿を盗み見た。
と、シーは俺の視線に気がついたのか、俺を見上げ、にぱっとその顔に笑顔を浮かべた。
何がそんなに嬉しいんだか。
俺は、そんな様子のシーの姿に苦笑を浮かべるしかなった。
また明日から、シーのお守りか。
そんな事を考えながら、夕暮れに染まる空を仰ぎ見た。
まぁ、たまにはこんな苦労も悪くはないだろう。
俺はそう思う自分の心境に苦笑を浮かべながら、一路アステカを目指したのだった。











































|д・) ソォーッ…


upして数日後に気がつきました。

今回の魔物の名前ですが、wikiを見たらカブムと書いてあったーーーーーーー(゜д゜)
素でガブムだと思ってましたーー
間違ってたーーーーーーーーー(ノд`@)


すみませんでしたーーーーーm(_ _)m

(時間がある時に修正はいりまつ……orz)



反省中……(お目汚し、すまそ(ノд`@))




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